iPhoneアプリ開発者の妻になるまで。Part3 〜人生最大の賭け〜

9/20/2012 AppMama 0 Comments

夫のアプリが思うように売れなくても、私は決して怒ったり、嫌みを言ったり、小言を言ったりはしません。

その理由の1つに、夫は私に、この生活をさせてしまっていることに対して、毎日謝罪していました。

「苦労ばかりでごめんね・・・」

そう言われると、何も言えなくなるのです。

そして、決まり文句が

「もう少しの辛抱だから・・ねっ!」

そんで、その後に

「そうそう!このアプリ面白いよ!これはヒットするよっ o( ̄▽ ̄o)♪」

と期待させることを言うのがお決まりコースです(笑)

しかし、ヒットの”ヒ”の字もかすらないほど、夫の作ったアプリたちは他社のアプリに埋もれていきました ヾ(;ω;)Bye

その埋もれたアプリのひとつは『カラー・ペアーズ』という色の組み合わせを見つけるゲームです。

このゲームは意外と私は好きで、デザインも好きだったし、シンプルな操作なので、電車のなかでサクッと遊べる感じが好きでした。

だから、埋もれてしまったのは残念な結果です ( ̄▽ ̄;)!!ガーン


なかなか売れないので、月末になると半べそ状態で

「ご、ごめんなさい・・・あの~ (TmT)ウゥゥ・・・」

と言ってきます。

もう、その後の言葉は聞かなくても分かります ┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~


「今月は、いくら足りないのっ!? 3千円? 5千円? いくら!?」


「・・・・5万円・・・ ∑(゚∇゚|||)はぁうっ!」


ウソ━━Σ(-`Д´-;)━━ン!!


こんな調子なのです。


私が、お人好しと言われればそうなのかもしれませんが、夫が夢を追いかけ一生懸命になっている姿を見ていると、なんだか夫の人生が羨ましくも思えてくるのです。

私は会社員で、特にこれといってノルマもなく、頼まれた仕事を淡々とこなすだけで、どこか虚しさを感じていました。

”私の夢ってなんだろう・・・”

”私の夢は果たして叶えたのだろうか・・・”

夫と生活していると常にそんな思いにかられ、いつの間にか夫の夢が自分自身の夢となり、まるで自分がその夢を追いかけている様な感覚になりました。

『夫が成功する瞬間を1番近くでみてみたい!きっとこの人なら叶えるだろう』

それが結婚した理由のひとつです。

それに『私くらいしか彼の人生を支えることができない、付き合えない』 と思ったこと、そして『彼しか私の人生を満足いく方向へ導けない』と思ったことが大きいでしょう。

私もなかなかの冒険家だし、ギャンブラーだし、全く安定を求めていません。

『大海原だろうが、いばらの道だろうがかかってきやがれっ!!』

そんな気持ちでいたから、夫の稼ぎに執着せず、夫の成功だけに意識を集中できたのです。

実はこの『カラー・ペアーズ』をリリースした頃、私達は籍を入れました。
挙式は彼の育ったハワイで半年後に行うということは決定していたのですが、なんせ資金がありません。

『資金を貯める為にも、早くヒット作を出さなければならない!』

そんな想いがあり、この頃、夫は月1ペースでアプリをリリースさせました。


想いが届いたのでしょうか・・・次に出したアプリ『iQ mirror』はなんと日本のApp Storeで紹介され、無料ゲームのファミリーカテゴリーで1位を獲得しました。

今まで、どんなに愛情を込めて作ったアプリも、ランキング上位に入る事もなく消えて行き、その度に肩を落としてきたので、1位という結果はどれだけ嬉しかったことでしょう・・・

『iQ mirror』というアプリのおかげで、わずかですが収入がアップしました。

『iQ mirror』が好調だったので “この調子でいけば・・・もしてして!?” と期待が高まり、実際、夫もその追い風を利用して『iQ mirror』を超える大作を黙々と作っているようでした。

その大作の名は『シンクロ・フィンガーズ』

出来上がったこのアプリを操作しながら、夫はお馴染みのこの言葉を言いました!


「これ、見てよ!ヤバいよ!このアプリ、ヒットするよ~ o( ̄▽ ̄o)♪」


もう、お気付きでしょうが、大概、このパターンは成功しません(笑)

残念ながら、まったくヒットしませんでした・・・

しかしながら、アプリ開発を始めた当初の収入、数千円から、その頃には数万円稼げるようになっていて、少しずつですが、確実にヒット作に近付いているような実感がありました。

果たして結婚式前に、ヒット作を生み出す事はできるのでしょうか!?


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