夫との出会い Part1 〜運命の交差点〜
2006年の6月、社会人になって間もない頃の話です・・・
毎日、仕事が終わって帰宅すると、トイプードルのアンを連れて近所の公園に行くのが毎日の日課でした。
夫との最初の出会いは、その公園に近いハンバーガー屋の前にある交差点・・・
私と反対側の歩道を3匹のトイプードルを連れた2人組が信号待ちをしていました。
アンはその3匹のプードルたちを見つけると、信号待ちなんてお構いなしに近づこうと綱をグイグイ引っ張りました。
『コラ、待ちなさい!!』
なんて言って、しつけができる飼い主風を装っても、アンのテンションはMAXで全く言うことを利きません。
這いつくばってでも、そのトイプードルたちに近づこうと必死です。
ダメ犬っぷりを見せつけるアンと、カッコのつかない私・・・
道路の反対側にいる飼い主を見ると、二人ともどことなく異国の雰囲気が漂い、私とは別世界の人間に見えました。そのうちの一人は若い外国人でした。
信号が変わると予想していた通り、アンはその3匹のプードルに猛ダッシュで嬉しそうに近づき、ワンちゃん同士の挨拶が始まります。
人間の方も
「こんにちわ~」
と挨拶を交わし、お互いの犬のリードが巻き付かないように気を付けながら
「何歳ですか~!?」
「女の子ですか!?男の子ですか!?」
と、会話をしてワンちゃん同士の挨拶が終わるのを待ちます。
何を話したかは覚えていませんが、2人とも気取らなく話しやすい印象だったということだけは記憶しています。
特に、この外国人の男性が流暢に日本語を話すのは印象的でした。
"日本語話せるんだ・・・初めて見かけたけど近所に住んでいるのかな・・・”
そんなことを思いながら、犬同士の挨拶もほどほどにして、別れました。
後から知ったことですが、その頃の夫は、ハワイから日本に来て1年くらいしか経っておらず、その公園の近くのマンションに父親と住んでいたようです。
あの3匹のプードルは夫の父親が飼っているワンちゃんたちで、その日夫と父親の会社で働いている方が犬の散歩していたようです。
次の日から、よくこの外国人の男性を公園でみかけるようになりました。
私達は、同年代ということもあり、打ち解けるには時間がかかりませんでした。
とは言っても・・・
“こんばんわ~” という挨拶から始まり、飼っている犬について軽く話すだけで、お互いの名前や職業、年齢には一切触れず、30分もしないうちに「じゃあ、さようなら~」と帰るのがお決まりのパターンです。
そんなある日、彼は外国人の友達を連れてきました。
私が友達だと思った彼は、実は弟のマイケルでした。
マイケルは、この頃まだボストンの大学に通っていましたが、夏休みを利用して日本に遊びにきていたのです。
マイケルは私と初対面にも関わらず
「こんにちわ!年齢は!?名前は?仕事は?どこに住んでいるの?」
と、いきなり質問してきたので、新手のナンパだと本気で思いました(笑)
いつも話をしているもう一人の彼の方を見ると、黙ってうつむき、助ける様子もなかったので、私は勝手に「この人、あまり私に興味ないみたいねっ」と思ってしまいました。
どうやら恥ずかしがり屋の夫は、これまで何回も犬の散歩で私に会っているにも関わらず、奥手すぎて私の名前すら聞けず、弟を使って私の情報を聞き出していたのです。
そうとは知らず、私は夫の弟がナンパしていると勘違いしていました。
ナンパはかなり苦手なので、そそくさと逃げる様に帰りました。
ただ、いつも公園に来ている彼の名前が “リオ”という名前であること、そしてさっきのナンパ師が弟の ”マイケル” だということが、簡単な自己紹介で知る事ができました。
“リオ”と公園で会う事が増えるにつれ、前よりもよく話すようになりました。
それにこの頃、私がチョビという名のトイプードルを飼い始めた時期で、この子犬が、これまでよそよそしかった二人に話題を提供してくれるキューピッドになってくれました。
最初の頃はお互いが好きな海外ドラマや映画などの話が中心でしたが、仲が良くなるにつれ、彼が毎週末、新潟へ行き、家作りや畑仕事をしているということを聞かされました。
そんなある日、
「興味があったら、新潟に一緒に来ない!?」
と誘われました。
私は、田舎で育ったので、実家には畑や田んぼもあり、きっと彼の畑仕事の役に立てると思い、オッケーを出しました。
すると、
「その前に、この映画を観て欲しい・・・」
と言って、1本のDVDを私に渡してきました。
その映画のタイトルは『モスキート・コースト』
彼の父がこの映画の主人公そのままのような人物なので、父に会う前にこの映画を観て心の準備をしておくようにとのことでした・・・
さっそく家に帰り、この映画を観ましたが、
「こんな人いるわけないじゃんっ(笑)」
と鼻で笑っていました。
・・・が、いたんです!!!モスキート・コーストの主人公が・・・!!!
『運命の交叉点』。。。。すっごくドラマチック。
返信削除誰も知り得なかった、出会いの瞬間と、その後の交際内容、
そして、結婚までの道のりが、今明かされる。
なんだか、自分の事の様にワクワクです。
いつもアトラクティブなタイトルと、ストーリーの結び方がとっても魅力的。
次が待ちきれな〜い。