夫との出会い Part4 〜突然の告白〜

10/08/2012 AppMama 0 Comments

花火大会に誘われなかったことで、彼の気持ちがわからなくなりました。

『あの手作りパンには何の意味もなかったんだ・・・

    ただ単に、パンの試食をして欲しかったのかもなぁ~

 それなら、正直にパンの感想を言えば良かった、“固過ぎる” って・・・』

ただのパンの味見係なんだと思うと、彼に会いに行く気も失せ、散歩コースを変えようかとも思い、左に曲がる道をあえて右に曲がってみたりして近所をウロウロするのですが、結局、私の足は何故かあの公園へと向うのでした。

そんなある日のこと・・・

飼い犬のアンが体調を崩したので、近所の動物病院へ連れていきました。

アンは私が思う程、たいしたこともなく、先生から今後の処置について説明を受けていたのですが、どういう訳かその先生が毎週末、長野に行って農業をしているという話題へ脱線しました。

「私ね~、時々、田んぼや畑仕事をするんだよ。あっ、そうそう!この近所に、同じくプードルを飼っている外人さんがいてね~、その外人さんも、農業をやっているみたいなんだよね、そこの息子が本当に良い子なんだよ~。今の時代に珍しいよ、あんな息子は!」

・・・ん!? プードル!? 外人!? 農業!? 息子!?

そのキーワードで、きっと先生が話している人は、あの固いパンを作る彼のことだと思いました。

「その人って、リーバスさん!?」

そう聞くと、

「そうそう!あの息子は、本当に良い子だよ~」

とまた絶賛し、なんだか私が褒められているようでとっても嬉しい気分になりました。

まさか動物病院へ行き、彼の事を耳にするとは思っていなかったし、この不思議な繋がりに縁のようなものを感じました。

・・・とは言っても、私だけそんなことを思っても、また花火事件のように虚しく散るだけなので、あまり深く考えないようにしました。

それから数日経った頃、いつものようにあの公園で彼に会い、たわいのない会話をしていたのですが、彼が夏休みを利用してハワイに帰省すると言ってきました。

普通なら

「ハワイいいね~!楽しんできてね!」

と言うところを私は何を思ったのか、

「私もハワイに行ってみよう~かな!?」

そう口にしてしまったのです・・・

この言葉に自分でも驚いてしまって、もう言い訳のように

“あ、1人旅行ねっ \(;゚∇゚)/  

 夏休みだし、私もどこか旅行しようと思ってて ∑(゚∇゚|||)

 あっ、気にしないで!1人旅行だから~、あっ! やっぱり行かないかもしれないけど、  

 行くかもしれない (; ̄ー ̄川 ”

もう自分で何を言っているのかわからなくなりました。

“何を言ってるんだワシは~!!”

もう切腹したい気分です ((|||))

きっと彼も、この発言を聞いて困ってるに違いない・・・

そう思って彼の方をみると

「いい~じゃん!!ハワイで合流しようよ♪」

“えっ!?・・・(*゚Д゚*)ェ…い、いいんですか!?”

後日、ハワイスケジュールを組む約束をし、この日は別れました。

この夏、全く考えていなかった海外旅行・・・行き先はハワイ・・・

本当にいいのだろうか・・・。

「まっ、いっか!友達だしっ!!!」

そうよく分からない理由で自分を納得させ、次の日、ハワイ旅行の話を詰める為に公園に向いました。

しかし、その日の彼はなんだか様子がおかしく、ちょっと落ち込んでいる風にも見えるし、思い詰めている風にも見えました。

これと言って、ハワイ旅行の日程やら、チケットの手配など具体的なことについて話すこともなく、日も暮れてきたので、近所の犬仲間に別れを告げて、彼と家の途中まで一緒に帰ることになりました。

何を話しながら歩いていたのか全く覚えていませんが、公園の入り口を出たあたりだったと思います・・・彼がいきなり

「付き合って・・・・・みま・・・せんか!?」

と言い出したのです。

突然の告白にびっくりし、

“えっ!?なんであの新手のナンパ師に捕まっている時に、助けてくれなかったの!?”

“じゃあ、あの花火大会はどういうこと!?”

“私はパンの味見係じゃなかったの!?”

と色んな思いが頭の中を駆け巡り、聞きたいことが山ほどありましたが、何故かそれ以上にこの状況に冷静になってしまう自分がいました。

“釣り合うわけがない・・・”

突然の告白に自信喪失してしまったのです。だから、

「ごめんなさい、考えさせて下さい・・・」

と言って別れてしまいました。

考えさせて下さいといったものの、何度考えても、田舎者で、チビで小デブで、頭が良いわけでもなく、なんの取り柄もない私が彼と付き合うには不釣り合いに感じました。

彼には頭が良くて、スタイルが良くて、美人で、性格も良くて、家柄が良いお嬢様がお似合いだと思ってしまい、断わる方向でメールを送りました。

数分後、彼から

「僕のお母さんは田舎の材木屋の娘で・・・」

私を説得する長文が送られてきたのですが、今となっては、メールの文章は全く覚えてません。

ただ “田舎の材木屋”という言葉を使って説得されたことが印象に残っていて、あの外人顔から“材木屋”という言葉が出てきた事がおかしくて、そのメールを読んで思わず笑ってしまいました。

笑っているうちに、その文章に彼の人柄や想いが伝わり、気付くと「よろしくお願いします」というメールを打っていました。

それから、彼と付き合うことになったのですが、そのとき彼と付き合った期間はとても短いものとなります。

しかし、ここまでのストーリーはハッピーエンドで終ろうと思います。

この先のストーリーは、いつかまたの機会に・・・

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