犬と暮らすという事〜フィフィとのお別れ〜

3/03/2013 AppMama 0 Comments

今朝、夫が鼻をかんでいる音で、私は目を覚ましました。


『あー、ついに風邪をひいてしまったのか・・昨日、寒かったもんな・・・』

ニュースでも報じられましたが、昨日、北日本を暴風が襲いました。
こんな風の強い日は、薪ストーブで火を起こすのは火事の恐れがあるので暖をとることができず、寒い1日を送りました。
他にも暖をとる手段はありますが、底冷えする寒さ、骨まで凍みるような東北の寒さはヒーターなどではなかなか部屋は温まりません。やはり、蒔ストーブが効果的なのです。
昨日は、日中でさえも自然と身体が縮まり、これでは風邪をひくのも時間の問題だと感じていました。


寝ぼけ眼で夫の様子を伺う限りでは、ひどい鼻風邪といったところでしょうか・・・
この感じでは、これから熱が出るかもしれないと不憫に思い、横で寝ている娘を起こさないように小声で

「風邪をひいちゃった!? 大丈夫!? 」

と声をかけました。

すると・・・


「フィフィが・・・死んじゃったよ・・・」



そう言って、夫は布団に入り直し、声を上げて泣きました。

夫の泣き声で娘が目を覚ましたのですが、初めて目にする父親の泣きじゃくる姿に目をまるくし、少し驚いた様子でしばらく固まっていました。
しかし、しばらくすると夫の頭にそぉーっと手を伸ばし、“よし、よし” と慰めるように撫で始めました。

フィフィ・・・死んじゃった・・・

その現実を受け入れるまでに私は時間がかかりました。年末に義父がヨーロッパへ帰省した時に2週間ほど、義父の犬の面倒を看たのですが、フィフィと過ごしたその時間が頭を駆け巡り、そんな現実はなかなか受け入れられませんでした。

しかし、夫が泣きじゃくり、訳も分からず頭を撫でている娘、そして不安げな様子でそれを見ている2匹のアン&チョビ・・・その状況が、現実を物語っていて、フィフィの死を受け入れずにはいられないのでした。


フィフィとは、義父の愛犬なのですが、夫もフィフィが小さい頃から可愛がっているトイプードルです。
フィフィはこの数年間、心臓病を煩い、小さな身体でその病と戦ってきました。

それから、視力も聴力も落ち、加えて関節も弱かったので、ちょっとしたはずみで足の関節が外れてしまい、

「キューン、キューン」

と悲痛な声を上げて鳴く事は最近では珍しくありませんでした。フィフィ本人は、この数年、とても大変だったことでしょう。

しかし、フィフィは、プライドが高く、気が強い頑固なおばあちゃん犬だったので、私達の前では弱い所は一切見せず、気丈に振る舞う犬でした。
そんなフィフィも、最近はご飯もあまり食べれなくなり、だんだんとやせ細り、体力がなくなっているのが目に見えて分かりました。

昨日、義父とFaceTimeをした時、フィフィは身体を支えてあげなければ歩けない状態で、それはとても弱々しい姿でした。
しかし、私達に元気な姿を見せようと、これもまたフィフィらしく支えられながらもしっかり歩いてみせてくれました。

これが、フィフィとの最後の別れになるとは・・・


今朝、3時半頃、義父の愛犬フィフィが亡くなりました。

享年15歳。永眠。



私達も、アン(8歳)、チョビ(7歳)というトイプードルを飼っています。

フィフィの死を受けて、この子たちともいつかお別れをしなければいけないという現実を改めて感じました。
ペットを飼うということはそういうこと・・・楽しいことばかりではありません。

フィフィは、一年ほど前から “要介護” といった状態で、フィフィを置いてどこかへ出掛けるということは難しく、時にそれは飼い主の頭を悩ませることでした。
仕事へ行かなくてはならない時、会食の予定がある時、病院へ行かなければならない時・・・

家族や身内でサポートし合いながらフィフィを看てきましたが、人間であれ犬であれ、介護というのは大変なことです。

これから、犬を飼いたいと思う方にそういう現実があるということを知って欲しいと思います。
むやみやたらに可愛いからという理由だけでペットを飼うのではなく、最期の最期まで面倒をみることができるか考えて欲しいです。

というのは、年間20万匹もの犬猫が殺処分されています。
殺処分される理由の中には、「子供が飽きたから」「トイレが覚えられない」「売れ残った」などの非道な理由で保健所に連れてくる心ない人がいるようです。

昨日、『ひまわりと子犬の7日間』という映画の試写会が都内で行われていたようですが、試写会に出席したフリーアナウンサーの滝川クリステルさんが

「これからペットを飼うときに、保健所から引き取るという選択肢も考えて欲しいです」

と話したそうです。滝川さん自身、福島県・波江町のシェルターからラブラドールを引き取り自宅に迎え入れました。

これからは、ペットをお金を出して買うという売買目的ではなく、「命に手を差しのべる」「命を支える」「命を助ける」・・・そんな風に世の中の考え方がシフトしていく時代だと思います。

そして、そんな世の中、世界であってほしいと願います。


最後に


『お疲れ様、フィフィ。

 これからは元気な身体で、皆とずーーーっと一緒にいられるよ。

 天国は、暖かくてふわふわしていてとっても気持ちの良い場所だから、ゆっくり身体を休めてね。

 皆、フィフィの声、水を飲む時の姿、しぐさや匂い・・・ぜんぶ忘れないよ!! 楽しい思い出をありがとう・・・愛してます!』

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