自然の中での子育て〜田舎暮らしで感じた事〜

5/27/2013 AppMama 0 Comments

こちら岩手では、とても気持ちの良い季節になってきました。
今住んでいる場所は、緑豊かな山間にある小さな農村です。
家の横は田畑が広がり、歩いて1分ほどの距離には川が流れ、川のせせらぎ、小鳥のさえずり、心地よい風を感じながら毎日過ごしています。

思い起こせば今から10年前、このような場所に住んでいながら私はこの恵まれた景色を見ても何にも感じることはなく、若さ故だったのでしょう・・・つまらないとばかり思っていました。
ですから、高校を卒業したら東京へ行くんだと勝手に決めていて、結果、大学進学という理由で上京してきました。

【上京して10年・・・心境の変化】

東京という街は次から次へと色を変え、人も街も追いつかないほどにトレンド、流行を追い求めるので、飽きることはなく東京に居る限り「あれが欲しい」「あそこに行きたい」「コレが食べたい」と欲求が耐えることはありません。

「欲求」という表現はなんだか欲張りな感じにも聞こえますが、私にとっては必要なことでした。むしろ「欲求」がプラスに働いて、それまでの自分の中にはなかった新しい感覚、感性に目覚めるきっかけになったことも事実です。
そして、アプリ開発者の夫もまた斬新なデザインや最先端の技術や商品を見たり、実際に触れることによってインスピレーションが湧くということも少なくありませんでした。
ですから、仕事をする上でも東京という街は私達に閃きと発想を与えてくれる街でもあったのです。

しかし、子供が生まれると、これまで新しいもの、斬新なもの、オシャレなものを見せてきた東京が私達に違う面を見せ始めました。

【子育てがしにくい】

娘が生まれ、生後半年になると私は会社に復帰をしました。
復帰せざる得ない金銭面での事情もあったのでこれは仕方のない判断でした。
復帰をするに辺り、娘を保育園に預けようと役所に相談しましたが、やはり保育園の空きがなく待機児童となり、半年もの間、自宅で仕事をする夫が娘の面倒をみることになりました。

仕事もしなければならない夫にとって、子育てと仕事を両立させなければならなかったこの時期が一番辛く、帰宅するとストレスを抱えた夫と口論になるのも少なくありません。

この時期、娘は哺乳瓶を嫌がり全く口にしなかったので、お腹が空くと母親を求めて泣き叫び、また、母親がいないことでも泣き叫びました。
ですから、夫の負担は大変なもので、娘を寝かせる為に仕事もせず、半日以上だっこしたままという日々も珍しくありませんでした。

そして、このような日々が続くと夫は犬の歩く音や首の周りを後ろ足で掻く、ごく普通の音にも敏感になってしまい、以前よりも厳しい躾をするようになったのです。
そして、この犬の躾に関する私達の討論、口論は毎日のように繰り返されました。
今思い起こせば、それほど夫は追いつめられていてギリギリの精神状態だったのです。

そして、ある日のこと・・・

インターフォンが鳴り、玄関のドアをあけるといきなり隣人に

「うるせぇ〜〜んだよっ!!!」

と怒鳴られました。

隣人は舌を巻きながら怒鳴り、その声で娘は泣き叫び私の足にしがみつきました。
このことで娘はトラウマを抱えることになり、インターホンが鳴るとひどくおびえるようになりました。しかしながら、私達の落ち度もあったのは事実で、子供の泣き声、あやす声、犬の声が迷惑だったのは認めざるを得ません。
その隣人は、夜に出社し深夜から朝方に帰宅するので、昼間は当然のことながら寝ているので静かにして欲しいというものでした。

しかしながら、1歳の娘に「泣くな! 静かにしなさい!」と言ったって聞く訳がありません。1歳児というものは、まだ言葉を話せないので泣いたりぐずったりしながら、空腹感や不快感、自分の気持ちを伝えようとします。

この事件をきっかけにますます夫は神経を尖らせ、私達の口論も多くなったのです。

【岩手に引っ越し】

ハワイ移住が決まり、私は仕事を辞めました。
そして、手続きが完了するまで私の実家である岩手に身を置く事になったのです。

岩手に引っ越してきて3ヶ月ほど経ちますが、この環境は子育てをする上でとてもありがたいと感じています。
娘は、一時保育として週に3回、午前中だけ保育園に通っています。
一時保育の手続きも簡単で、直接保育園に問い合わせると“明日からでも預かりますよ”と快く受け入れてくれました。
(東京にいた頃は、一時保育ですら無謀なお願いだったのに!!)

保育園がない日は、娘は庭で遊びます。
私の実家は車道から離れているので、娘が玄関を飛び出しても危険なものは何もありません。遊び盛りの娘は、庭の散策をしながら虫を見つけたり、蝶々や鳥を追いかけたり、おたまじゃくしを捕ってきたりと、子供の感性をフルにつかって一生懸命遊びます。

午前中は、田んぼや畑を駆け回り、泥んこ遊びをし、お昼になるとおにぎりと水筒をもって畑や庭先に腰を下ろし、青空の下でご飯を食べます。

お昼寝をした後は、田んぼへおたまじゃくしを見つけに行き、おたまじゃくしを飼う為に川の水を汲んできたり小石を拾っておたまじゃくしの家を作ってあげたりしています。それから、近所の方々が知らぬそぶりをせずに、娘のことも気をかけてくれるのが嬉しかったりもします。

夕方には、祖母が畑で育てている野菜の水やりのお手伝いをし、夜には月や星をみて涼みます。

そして娘は、クタクタになって眠りにつくのです(犬も・笑)。

こんなに広い自然の遊び場があり、そして娘が思いっきり声をあげて遊べる環境を与えてあげることができて私達もとても嬉しくなります。
これまでは、泣かないように、大声を出さないように神経を尖らしてきましたが、1歳の娘にとってそれはストレスだったに違いないでしょう。

以前のような子育てや犬の躾について私達の口論もなくなり、むしろ自分たちが思うように子育てができていることに満足しています。
そして、娘がこうやって伸び伸びと成長する姿を見るにつれ、私も夫も子育てを田舎でしたいという思いは前以上に強くなってきました。

しかしながら、田舎で暮らすということは簡単なことではなく、コンビニですら歩いて行ける距離ではないし、ましてスーパーや病院までは車で20分もかかり、急用の時などには不便さを感じてしまいます。まして、百貨店やデパートというものはございません(笑)
それでも、質素に無駄なく暮らすシンプルな生活も良いものだと最近は思う様になりました。

しかし、まだ2歳の娘を育てる為の田舎暮らしも、子供の学校選びが始まる年齢になればまた違った考えも出てくるかもしれないというのも本音です。(特に私立校に入れたいとか、インターナショナルスクールに入れたいという希望はありませんけどね。)

ただ、現時点ではこの幼少期で培われる感性というものは大事にしてあげたいと思うし、こうやって自然と関わりながら遊んだ記憶がいつか彼女の発想力や才能に繋がってくれるのではないかと密かに思っています。

そして、この自然溢れるこの地区がいつまでも変わらぬのどかな農村であって欲しいと心から願わずには居られません。

皆さんも、夏休みなどを利用して、是非岩手におこし下さい!

それでは、またSee You〜☆

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