自然との共存〜ニホンカモシカと出会って〜
昨晩、深夜1時頃・・・「ウギャー!!ウギャー!!ウギャー!!」
と家の裏手から動物の声が聞こえてきました。
それはそれは、もう恐ろしい叫び声で、命を賭けた死闘が始まっている緊迫したものでした。
一緒に寝ていた2匹の犬(アン&チョビ)も、その声に震え上がり、一目散に夫の布団に潜り込み夫の両脇にくっついて離れませんでした。
10分ほど、その叫び声は続き、そして次第に叫び声は家から遠ざかっていきました。
獲物を仕留めたのか、獲物が“生”を諦めたのか・・・
実は、近所で猫を数匹飼っているのですが、毎年、この時期になると狸や狐に襲われてしまっているようなのです。
きっと、昨晩も襲われたに違いありません。
田舎に住んでいると、厳しく時に残酷な動物の世界を目にしなければならない時があります。昨晩のようなことは、昨日に限ったことではありません。
ある晩は、キジが襲われる声がしたのですが、それもまた命を落とすような叫び声でした。
次の日にその声があった田んぼのあぜ道を歩いてみると、明かに何かに襲われたであろうキジの羽が無数に散っていたりということがありました。
そして、ヒョッコリと顔を出すイタチ・・・。
「コイツに殺されたか・・・」
今、私達が住んでいる場所は、コンビニもスーパーも歩いていける距離にはない、小さな農村です。ですから、夜20時に誰一人外を出歩るくことはなく、21時にもなると静まり返り、虫の声と風に揺られる木々の音が聞こえる程度なので、そんな静まり返った夜分に、命を落とす動物の声が聞こえると、恐怖と共に胸が痛み、同時に“生死”というものをまざまざと感じるものです。
そして、今日、夫と娘と川へ遊びに行った時のことです。
川へ下りる砂利道を下っていくと、200m離れた川岸に大きなニホンカモシカがいて、こちらをじーーっと見つめていました。
それはとてもたくましく、堂々としていて、なんとも言い表せない風格と気品がありました。ニホンカモシカを目撃したのは今月2度目です!
夫がゆっくりと近付いても、一向に逃げる素振りもせずに近寄る夫を見つめていました。しかし、ある一定の距離になると川に入り、すーーっと泳いで向こう岸へ渡っていきました。
ニホンカモシカに出会ったことで、私達は興奮してしまいましたが、ニホンカモシカが去った後、私達が川へ降り立つとダンプやシャベルカーが川沿いの山を削っていました。
ニホンカモシカは、私達が来る前、このダンプやシャベルカーが木々をなぎ倒す様子を遠くから伺っていたのだと思います。そして、こう思ったに違いありません。
「どうしてこんなことをするのだ・・・」
イタチがキジを襲ったとき、“なんて残酷なのだろう、可哀想だ” と思ったのですが、私達人間も、充分残酷なことをしているのだと思います。
彼らの住処を奪ったあげく、食べ物を探す為に住宅街や民家に下りてきた動物を時に殺処分なんてことは珍しくありません。
“自然と共存” なんてよく言いますが、そんなに簡単なことではないのです。
この大自然の中で4ヶ月程暮らし、東京では考えることのなかった自然との付き合い方を考えるようになりました。と同時に、やはり私達は自然の中に身を置く事が自分たちらしい生き方なのだと確信しました。
最近は、夕方になるとバケツを持って川へ水を汲みに行き、汲んだ水を畑の作物に与える手伝いをするようになりました。
娘も一生懸命川の水を運び、水やりを手伝います。
私は、この水を汲みに行く時間が、とても幸せに感じる瞬間で、山々や川の流れを見ているだけで心が和みます。
これまで、田舎に住みたいと思ったことなんてコレっぽちもなかった私が、今は田舎暮らしに憧れているんですから不思議です。
あと数日でこの岩手の地から離れるのですが、ここに暮らす人々がとても羨ましいと思うくらいとても素晴らしい環境です。
本当に、このままの景色でいつまでもあって欲しい・・・本当に心からそう願います。
皆さん、夏休みなどを利用して岩手に是非お越し下さいっ!!
それでは、またSee You〜☆
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