超・高齢化農村に住むおじいさんへの贈り物〜秋の味覚、ほっこり栗ごはん〜
今日は、 “ほっこり話” と “ほっこりご飯” を紹介します♪私達は、新潟県津南町の秘境と呼ばれているある集落で暮らしています。
この集落は高齢化が進み20〜30代の若者は皆無であり、それ故、私達が引っ越してくる前のこの集落の一番の若手は60代という超高齢化の農村でした。
>> 家族3人、犬2匹、スーツケース1つ・・・人口10人未満、高齢化率100%の農村に引っ越した!!
この集落の一番の年長というのは、私達の家の裏に住んでいる昔気質で頑固な88歳のおじいちゃん・・・でも優しくて情の深い良い方なんです。
最近、このおじいちゃんの足が思わしくなく、思う様に畑仕事ができないようなので、夫や義父がおじいちゃんの庭や田んぼの周りを草刈り機を使って、手入れをしてあげることが多くなりました。
夫も義父も、決して見返りを求めてしていることではなく、この超高齢化の集落では若者の手を借りなければできないことも多いので、2人とも当たり前のこととして手伝っています。
しかし、昔気質のおじいちゃんは、素直に甘えられず、夫や義父の草刈りが終ると決まって一升瓶の日本酒を持って訪ねてくるのです。ある時は間違えて買ってしまったからあげるよと言ってソフトクリームを3本持ってきた事もありました。一人暮らしのおじいちゃんが間違えてソフトクリームを3本も買ってしまったという言い訳が可愛かったです(笑)
先日も、草刈りをしてくれたお礼だと言ってワインやらゼリー、とうもろこしを持ってきてくれました。
何かが欲しくて草刈りをしているわけではないと言っても、
「俺のココが納得しねーんだよ」
と胸に手を当てて、言う事を聞きません。
そこで、夫がおじいちゃんの畑にある大きな栗の木を指差して、
「それなら、栗が落ちたら、少しだけ栗を拾ってもいいですか!?」
とお願いしてみました。すると
「あー、いいよ・・・栗が好きなのか!?」
と問いかけたものの、私達の返事を待たずして
「十日町にさ、栗拾いができるとこがあんだよ・・・ 」
と、十日町にあると思われる栗園について話し出しました。
しかし、私達はおじいちゃんの庭にある、立派な栗の木から栗を拾えれば充分なので栗園の場所については夫も私も詳しく聞こうとはしませんでした。
次の日のことです・・・
「リオさーん、リオさーん!!」
おじいちゃんが、訪ねてきました。
何事かと夫が慌ててて出て行くと・・・
「さっき拾ってきたんだよ・・・」
と、大きくて立派な栗を持ってきてくれたのです。
でもよく考えてみると、おじいちゃんの庭の栗はまだ青く、こんな大きな実がついているとは到底思えません。
“もしや!!・・・十日町にある栗園に行ったの!? ”
この辺の山にも栗の木はあるでしょうが、一粒がずっしりと重い見事な栗の実だったので、山に入って穫れるような代物ではありません。もし、本当に30分以上はかかる十日町の栗園に行き、入場料を払って穫ってきてくれたとしたら・・・
ぶっきらぼうな話し方なのですが、きっと照れ隠しなのでしょう・・・そんな話し方をするおじいちゃんを見ると胸が一杯になってしまうのです。
“そうだ!この頂いた栗で栗ごはんを作ってあげよう!!”
というわけで、おじいちゃんに “栗ごはん” を作ってあげることにしました!!
今回は “栗原はるみ” さんのレシピを参考にさせて頂きました。
ただ、東北人の私には少し薄味のレシピだったので、薄口醤油を使わずに、普通の醤油で代用し、またお醤油の量も変えて挑戦してみました!
【材料】
・米・・・1合
・餅米・・・1合
・栗・・・15個くらい
・砂糖・・・適量
・水・・・2合分
(調味料)
・酒・・・大さじ1
・みりん・・・大さじ1
・醤油・・・大さじ2
・塩・・・適量
【作り方】
(1)栗の皮、渋皮をきれいにむきます。
(2)むいた栗に砂糖をまぶして、冷凍庫で3時間寝かせます。これをすると栗を色鮮やかに炊く事ができるそうです!
(3)米、餅米をとぎ、1時間ほどざるにあげておきます。
(4)冷凍庫の栗を軽く水洗いします。
(5)1時間経った(3)に調味料を入れ、2合の目盛りまで水を入れて、最後に栗を加えて炊飯器で炊きます。
完了〜!!
普通の醤油を使ったものの、出来上がった栗ごはんは、薄くも濃くもなく、ほんのりと醤油の香りが香る丁度良い味に仕上がりましたよ♪
出来上がった時は、夜の19時過ぎ・・・。
もう外は真っ暗で、月明かりを頼りに夫が裏のおじいちゃんの家に届けに行きました。
「なんだ・・・返って気を使わせたな・・・しかし栗ごはんを作るとは優秀だな」
と言って、とっても喜んでくれたようです。
そして、夫がおじいちゃんの家から戻り、私達もさっそく栗ごはんを頂こうと食卓につきました。
手を合わせて
「いただきま・・・」
まで言ったところで、外から
「リオさーーん、リオさーーーん!!!」
おじいちゃんの声です(笑)
夫が、急いで玄関に行くと・・・
「これ、さっきの栗ごはんのお返しじゃなくてさ、明日渡すつもりで茹でてたんだよ。」
と言って茹でたばかりのとうもろこしを沢山持ってきてくれました。
なんだか、また気を使わせてしまったと思う反面、おじいちゃんの温かさ、人情味を感じ、ウルウルしてしまいました。
みなさんも、大切な人へ “栗ごはん” を作ってあげてみてはいかがですか!?
もらった側も作った側も“ほっこり” とした幸せな気持ちになれると思いますよ。是非!!
それでは、また、See You☆
0 コメント: