チャンスは待ってくれない!〜ある子犬を救う事ができなかった話〜
「最悪!」という言葉を100回、いや何万回書きなぐってもこの怒り、悲しみ、そして後悔は一生消えないと思います。本当に最悪な気分です。
今朝、夫が
「明日から数日天気が悪いようだから、今日のうちに買い物をしておいた方が良いかもしれない。」
そう話したので、家から歩いて15分ほど先にある “Atwater” という街に買い物に行きました。買い物を済ませ、家路へ向う途中のこと。その最悪な出来事が起こりました。
向こうからアジア人女性が子犬を連れて歩いてきました。
「可愛い〜!!!」
なんて夫と話しながら、そのアジア人女性と子犬の横を通り過ぎようとした時、なんと子犬が私達の目の前でパタリと倒れたのです。
子犬はハァハァと苦しそうで、一歩も歩けないという感じでした。
それもそのはず・・・今日は人でさえも日陰を歩かなければ、ジリジリと肌が焼けるのが分かるくらい暑い日で、こんな子犬であればなおさら辛いに決まっています。
アジア人女性は、何語か分かりませんが決して優しい口調ではなく、むしろ怒った感じで、その子犬に「ほら、はやくしなさい!」というような言葉をかけました。
私は、その女性の顔を見ました。すると、その女性は強ばった顔を瞬時に変え、優しい目をしほほえみます。ところが、その女性から私が目をそらすと、すぐにこの子犬に厳しい目で「はやくしなさい」「立ちなさい」とせがむのです。
私は、しゃがみこみ、この子犬に触りました。
舌を出し、水を欲しがり、息が荒く本当に辛そうで立つ事さえできません。
その時です。
女性は子犬が倒れた状態で、首輪をひっぱり数メートル引きずって歩き出しました。
子犬は、アスファルトに身体が擦れて痛いのと、また首を引っ張られている状態ですから、苦しい事もあり、頑張って立ち上がりヨロヨロとその女性と歩いて行きました。
その光景を見て、私も夫もかなりのショックを受けました。
私は夫に追いかけようと言いました。
追いかけてどうしてあげることもできないけれど、このまま家路に帰るなんてできませんでした。しかし、夫は
「追いかけたって仕方ない。どうしてあげることもできないよ・・・」
と言いました。その通りです・・・追いかけたってどうしようもないんです。ですから、私達は、あの子犬のことは諦めて家路の方へと歩きました。
ところが、数メートル歩いたところで、突然、夫が立ち止まりこう言いました。
「やっぱり、追いかけよう。譲ってくれるか分からないけど、あの子犬を譲ってもらおう」
あの子犬は、大勢とすれ違ったはずなのに、私達の目の前で倒れ、救って欲しいと頼んだに違いありません。どうして、そのサインを読み取れなかったんだろうと後悔ばかりが押し寄せます。
飼い主の女性と子犬を探している間、どうやって交渉しようと考えました。
「お金で解決できるならそれが一番だ。」
と夫は財布を出しました。
しかし、私達は犬を買い取れるような余裕もありませんし、買い取ったところで3匹育てられるか・・・。でも、あの時の私達は、あの子犬を救うことしか考えていませんでした。
必死に探しました。あちこち探しました。
しかし、たった2分前に出会ったその女性と子犬を、結局・・・見つけることができませんでした。
後悔だけが押し寄せ2人とも最悪な気分になりました。
仮に、犬を譲ってもらえなかったとしても「私はこの子をとても愛しているから譲れないわ」と嘘でもその言葉を聞いた方がずっと楽だったかもしれません。
先進国であろうが、犬にフレンドリーな街であろうが、動物に対して、生き物に対して酷いことをする人は沢山います。どうしてそのような人がペットを飼うのだろうと前から疑問で仕方ありません。
ペットを飼うにも免許制にすれば良いと思います。車の免許を取得するように、本当に犬を飼いたいと思うならばある程度の講習を受け、試験をし、免許制にするべきです。
それから、今回のこの出来事で身にしみて感じたことが1つ。
“チャンスは待ってくれない”
救うチャンスにしろ、仕事のチャンスにしろ、何のチャンスにしろ・・・チャンスが舞い込んだその時に、瞬時の判断ができなければ機を逃してしまいます。今回突然訪れた救いのチャンス・・・一瞬の判断ミスで、交渉の場すら立つ事ができなかったのは本当に悔やまれます。
以前、夫のアプリが米TVで紹介されるというチャンスが舞い込んだ際、「数十万円ものお金を払って米TV番組で紹介してもらうか」or「お金を払わず、この誘いを断わるか」という選択肢を迫られたのですが、私達はその時の預金や経済状況よりも、米TVで紹介されるという事に賭けました。
しかし結果は、ご存知の通り、自分たちが思う様な結果を残す事ができなかったというのが事実です。
それでも不思議なことに、あの選択は間違いではなかったと全く後悔はありません。むしろ、次の人生設計を考えるチャンスに繋がったのですから。
もしも、あの時、番組制作側からの話を断わっていたら今でも「あの時にお金を払って米のTVで紹介してもらえば良かった・・・」と後悔ばかりしていたに違いありません。
悔やむより、ダメでもとにかくやってみる!
その方が、よっぽど健康的です。
今日のあの出来事で、色々考えさせられました。
ペットを飼うということ、命のこと、運命やチャンスについて・・・。
どうか、どうか、あの子犬が幸せな人生を優しい人と共に過ごせますように。
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